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勘違いのギャンブル

トランプ大統領が中国に対する追加関税の検討を始めたとの報道があったことで、日米株ともに先物が大幅に下落しています。

 

貿易戦争は不毛なのに何でこんなことをするんだろう?素人でもそう考えますが、おそらくトランプ大統領のメンタリティは違っていて、勝負がデカくなればデカくなるほど相手がビビッて勝負を降りる。ポーカーの掛け金みたいなものだと、勘違いしている節があります。

 

民主主義国相手には通じる手段かもしれませんが、選挙の無い中国相手にはこの方法の効果は望みがたいです。出血覚悟の持久戦になれば、選挙がある米国が先に折れざるを得ません。中国は米国産の大豆まで報復対象にしています。大豆は庶民の食料や豚肉の飼料になるため、極めて重要な産物です。豚肉だけでなく大豆にも報復関税をかけることで、中国にとってはむしろ食料自給率の向上、ひいては食の安全保障に繋げることができます。庶民の不満が政権を倒せる選挙にリンクしていないため、欧米の感覚で無理なことが中国では出来てしまいます。

 

ゲームにおける勝ち負けの条件について、米中間で齟齬があるという認識をトランプ大統領ができていない。その可能性が高いと考えています。

 

ゲームのルールについて互いに認識の齟齬があるまま戦線が拡大するのは、望ましい結果に落ち着きません。勝敗の基準が分からないと落としどころがなくなります。

 

最近の相場は経済合理性ではなく、大国トップの心理分析の範疇になっているように思います。こういう状況では、心理的にも経済的にも身軽に動ける方以外は、荒波に巻き込まれないように様子見をお勧めします。