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不作為の罪・シェアハウス問題での立ち入り検査

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6278870

上記URLなど、スルガ銀行への金融庁立ち入り検査が話題になっています。夜のニュースでも報道されると思います。定例検査ではなく、スルガ銀行の営業による明らかな被害があっての検査になりますので、極めて異例です。また、どうやら地方財務局による検査ではなく、金融庁・本庁による検査との報道もあり、こちらも問題の重さが垣間見えます。

 

金融自由化前の日銀・大蔵省が許認可を握っていた時代にこのような不祥事があれば、スルガ銀行はお取り潰しです。そもそも、規制が厳しい時代は、ある程度の規模の融資は融資案件を日銀が精査していたので、このような事件は起こらなかったとのでは、と思います。「箸の上げ下げまで指導される」、金融機関がそう揶揄していた時代です。

 

自由化は一見、良さそうに思えますが、自由の代償としてリスクが付き纏うことになります。そのリスクを負うのは、情報がある金融機関・企業よりも、個人が多く背負うことになります。

 

今回の問題は、日本銀行・金融庁は問題が大きくなる前に把握可能でした。もしかすると、把握していたのかもしれません。というのも、日本銀行が公表している金融機関の貸出統計(貸出先別貸出金)には、「個人による貸家業」の項目があります。この項目の追加に携わり、当時の問題意識を知っています。まさに今回の被害者への貸出を補足できる統計ですし、今回のような手法で業容を拡大している企業の動向を、騙される側である個人の借り入れから「アラート」を鳴らす統計でもあります。

 

地域金融機関の 貸家業向け貸出と与信管理の課題 - 日本銀行というレポートを作成するにあたり、日本銀行は金融機関に特別調査をしています。個別の事情を把握している可能性は大いにあります。

 

シェアハウス事業主への融資、そのシェアハウス向けにお金を借りて投資する個人の融資、その両方を日本銀行・金融庁は知ることができる立場にありました(日本銀行は金融データの一部を金融庁に提供しています)

 

地域金融機関へのモニタリング、また、金融統計作成実務を経験した者から言えば、「知っているけど、立場上、言えない」。そんなところだと思います。「あんなの絶対、詐欺だよね」、そう思っていても、立場上、言えない・言わないのが監督当局のお作法です。

 

今後も形を変え、色々と金融上の問題は生じます。その時に頼りにできるのは、自分自身の冷静さ・金融リテラシーです。監督当局は問題が大きくなるまで、動きませんし、動けません。仮想通貨もそうです。これは不作為の罪なのか。残念ながら、現行の法体系では監督当局の罪にはなりません。あくまでも自己責任です。

 

今回のケースでは、被害者を相手に、投資資金を回収するための被害者の会等を装って、更なる詐欺を働いている集団がいて、某地域金融機関がその集団に対する融資をしていたのではないか、という話まで聞いています。

 

皆様、お気を付けください。

 

重くなりましたので、最後に小話。

 

この案件の広告塔をしていたベッキーの引きの強さは凡人には真似できません(したくないですが…)。満面の笑みを浮かべて「かぼちゃの馬車」に乗っている写真はいっそ清々しいです。写真を載せると怒られそうなので、各自検索してお楽しみください。