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美味い話はないというのが経済学

先日のスルガ銀行・かぼちゃの馬車のブログを契機に、複数の方から個人的に連絡を頂きました。話題の会社かどうかは別にして、個人がアパマンローン(アパート・マンションローン)を金融機関から借りて、部屋・あるいは一棟のオーナーになる不動産投資の営業を受けたことがある方は思いのほか、多いようです。

 

勧誘の文句も似通っていて、「相続税対策として有利」、「金利が低い今がお得」、「保証会社が家賃を保証するから空き室でも家賃が入る」、この3点が常套句です。

 

①「相続税対策として有利」:事実であっても、皆が同じように行動してしまえば供給過多になります。それに、費用面では多少有利でも、先々の家賃収入が安定して見込めるかどうかは別問題です。

 

②「金利が低い今がお得」:変動金利でローンを組んでも、先々、金利が上がれば利払い費が増えます。固定金利でローンを組むと、途端に割安感が無くなります。

 

③「保証会社が家賃を保証するから空き室でも家賃が入る」:保証会社の経営が行き詰れば家賃は保証されません。こういう営業で出てくる保証会社は不動産投資を勧めてくる会社の関連会社ということも多く、物件の特徴が偏って大数の法則が働かないため、保険の機能を果たすのが難しくなります。保証会社が非上場だと、財務状況を調べることも難しいです。

 

今回の件は、堅実な事業をされている方からすれば、迷惑この上ない話なのでしょう。一部の悪質な業者のせいで全部が悪くみえてしまいます。ただ、不動産は流動性が低いですし、個別性も強く、素人が手を出すにはハードルが高い投資であることも事実です。

 

リスクを取らなければ儲かりませんが、リスクを取ったからといって儲かるかは別の問題です。無駄なリスクを取っているかもしれません。美味い話はない、タダ飯はない(ノー・フリーランチ)という考え方が経済学の根底にあります。経済学は儲けるためというよりも、騙されないための学問だと、私は考えています。

 

また、営業の方は、金銭的な損得以外も色々と煽ってきます。不動産投資であれば、リスクを勘案して投資金額に見合ったリターンを得られるかどうかが、最も重要だと思うのですが…

 

そう言った手口・営業トークについては、業界の方には負けますが、そこそこ詳しいと思っています。前職は色々な情報を疑ってかかるのが商売という面もありましたし、産業調査で住宅投資を担当して実際に建設・不動産業の方に話を聞いたり、金融機関のモニタリングで急成長した建設会社への融資を確認したり。

 

実際に、アパマンローンを使った不動産投資の営業を複数社から受けたことがありまして、冷やかし半分と後学のために、先方がどんな物件・条件を提示してくるか、楽しんでおりました。金融当局は関わっちゃいけない相手だと思わないんですかね?この辺り、面白い話(と言っても、酒の席でのおっさんの馬鹿話レベルです)があるのですが、当研究所の品位を疑われたくないので、興味がある方は個人的にFacebookやLINE等で私用連絡先までご連絡ください。そのうち、セミナー等でネタにするかもしれません。