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学生がT字型を目指すべき理由

先日、大学のサークルのOBOG会に出席してきました。慶應霞会という、慶應義塾から外交官・国家公務員を輩出することを目的とした勉強会サークルです。サークルの発起人の方を始め、官民問わずOBOGが参加、また、多数の現役学生が参加されました。参加者は70名近かったでしょうか。会の運営をされた学生役員の皆様、お疲れさまでした。

 

勉強会サークルだけあって真面目な学生が多く、政治・経済の話題のほか勉強に関する質問が多かったことが印象的です。全員とじっくり話をすることができませんでしたし、この機会に、改めて大学生の勉強について、私見を述べたいと思います。

 

まず初めに前提を確認すると、大学以降は自分で何を勉強するか、どう勉強するかを自分で決めなくてはいけません。大学受験までの学校や塾でのノルマをこなしていけば、それなりに何とかなるという保証はなくなります。特に、文系の場合、大学の専攻が就職先に繋がるとは限りませんし、就職先でどのような業務につくかも分かりません。事実上、就職ではなく就社をすることになり、その勤め先で機動的に業務知識を獲得しながら、仕事を進めることになります。

 

そうした前提の中、私が理想だと考えているのは、「T字型」の学習です。全てを満遍なく勉強するには時間が足りませんし、薄く広いだけでは、何を勉強してきたのかについて踏み込んだ質問をされた場合、就職活動等の面接で不利になります。一方で、大学時代に得た知識だけで一生食べていけることなど、まずあり得ませんし、専門以外の知識を組み合わせて、新しいアイディアが生まれることもあります。色々な業界・職種の方とビジネスの話ができるようになることは重要です。

 

自分が興味を持っている分野を突き詰めることで、先行研究やデータを収集する能力、文章の書き方といったスキル、じっくりと考えることができる知的体力が身につきます。それ以外の分野、特に苦手意識を持っている分野については、学校のテストや受験を抜きにすると、むしろ心に余裕が生まれ、案外楽しく学べるものです。式を解く時間に追われることもなければ、ひたすら人名や事件・事物を暗記する必要もありません。

 

一字型でもI字型でもなく、T字型を作ることが出来れば、その後、V字やU字、W字にも展開できます。

 

深掘りした結果の論文が形として残ると、一生の記念になります。私の場合、ゼミを指導したくださった岡部光明教授がご自身のHPで論文を掲載してくださっていることもあり、Googleなどで「金融制度と経済発展」で検索すると、卒業から15年以上経ってもいまだに上位で表示されます。また、湘南藤沢学会が製本版のタームペーパーを公開してくださっています。達成感もあれば、自分の未熟さも成長も感じられる貴重な経験ができます。

 

(製本版PDFファイルのダウンロードはこちらです)

 

 

大学・学部により制度は異なると思いますが、論文を書いたり、それを形に残す機会があるのであれば、是非、チャレンジしてください。