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日本銀行は職員の給与を上げるべき

本日は日本銀行の金融政策決定会合の結果が公表され、黒田総裁の記者会見を観ながら記事を書いております。金融政策は目標はそのままに手段のみ微修正され、日経平均連動型ETFの購入比率を減らしTOPIX連動型ETFを増やす、国債金利の変動余地を増やす、という点が大枠でした。こちらについては、後日、改めて論じますが、気になるのは、賃金が上がらないから物価が上がらないという主張を繰り返す一方、日本銀行職員の給与が上がっていない点です。

 

6月29日に、「日本銀行の役職員の報酬、給与等について」が公表されました。その資料を見ると、日本銀行の職員の年収は0.2%の上昇に過ぎません。政府・安倍首相は経済財政諮問会議や経済団体の会合等で3%の賃上げを要請していますが、日本銀行は、主要民間金融機関等を中心とする比較対象先の給与動向に縛られ、2%の物価上昇を望んでいるにも関わらず、給与水準を上げていない状況です。

 

「賃金決定メカニズムが将来予想・期待よりも過去の水準に引きずられているため、物価がなかなか上がらない」とは、金融政策決定会合後の記者会見の度に黒田総裁が言及する常套句ですが、日本銀行自体がこのメカニズムにはまり込んでいるようです。日本銀行の職員給与の支給基準は財務大臣への届出事項でお手盛りは許されませんが、消費者物価指数の上昇率(2017年平均+1.1%、2017年3月+0.5%)を下回る給与上昇率というのは、理解しがたい状況です。

 

また、職員の年収が+0.2%である一方、役員の年収は+0.4%となっており、職員を上回っている点も気になります。標準的な経済学の理解では、収入が少ない人ほど収入に占める支出の割合も高いですし、年齢構成から言っても、職員の方が若く、子供の学費や住宅ローンなど何かと入り用なので、役員よりも収入増加による経済効果は大きいと考えられます。物価上昇率を下回る年収の伸びでは、家計は防衛的に貯蓄を増やさざるを得ません。

 

この点、記者会見で記者から鋭いツッコミがあればと淡い期待していたのですが、やはり延命策の金融緩和手段の修正への質問が集中し、日本銀行職員の給与についての質問はありませんでした。

 

デフレーション・マインドセットを変えるには、どこかが口火を切らねばなりません。まずは日本銀行、そして労働基準法の適用除外となっているために過重労働に苦しんでいる公務員の給与をしっかりと上げる必要があります。公的機関の給与を上げると政治家や役員は批判されることが多いですが、自ら難しい決断をせず、営利企業にのみ要請するのは筋が通りません。「隗(かい)より始めよ」の精神が必要です。

 

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コメント: 1
  • #1

    そうだ (火曜日, 09 4月 2019 05:48)

    その通りだ!