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仙台大観音の傾向と対策【インドア派編】

杜の都・仙台が誇る謎の巨大建造物、その名は仙台大観音。時折、Twitterなどで奇跡のショットが話題になるが、今回は地元民&インドア派の視点からのレポートをお届けしたい。それははお盆の最中、平成30年8月14日(火)に仙台大観音を参拝したことに始まる物語。

 

仙台大観音は地元の不動産・建設事業の長者がバブルの勢いで作ってしまった巨大建造物である。バブル期に経営者が巨大建造物を建てると、だいたいにおいてその会社は残念なことになるのだが、その例に漏れず、この会社は今はもう存在しない。「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」というが、「会社が死して大観音が残る」という稀有な例だ。

 

この大観音、ひたすらデカい。身の丈92メートル、台座を含めると100メートル。仙台市の市制100周年に因んだらしい。平成版のゴジラ(vsキングギドラ以降)が身長100メートル、初代ウルトラマンが40メートル、ガンダムが18メートル(お台場のユニコーンガンダムは19.7メートル)と比べると、その大きさが分かるだろう。余計に分かり難いという方は上の写真で隣のホテル(13階建て)と比較して欲しい。

 

地元の団地やショッピングセンターからの眺めもなかなかに迫力がある。

あまりの大きさにアナログ放送時代は電波障害が発生したため、頭頂部には電波の再送信装置のためのアンテナがある。地デジに移行してからは使用されていないと聞くが、現在も高さがあるため、夜間になると頭頂部は赤いランプで光る。

 

 

この大きさになると足許から見上げる姿はかなりのプレッシャーだ。どうせならゴジラ像を作って欲しかったところではあるが、建立者が熱心に観音様を信仰していたのではやむを得まい。ゴジラ像であれば、建設許可が降りたかどうか、怪しいものだ…

仙台大観音の縁起を見ると、感慨深いものがある。成功の代償は高くついた… それにしても、お寺の案内の看板が何だか安っぽいというか派手というか。高貴な色である紫を使ったがために、仙台というよりも大阪(のおばちゃんのパーマ)っぽい。

ご利益・開運を皆に分け与えすぎたのか、大観音の足許にある開運パワーストーンを販売していたらしい中国工芸館(何故に中国??)は既になく、跡地が哀愁を誘う。

これだけでもツッコミどころ満載の仙台大観音だが、実は観音様の胎内に入れる!入り口がRPGのダンジョン風。しかも、高レベルダンジョンの予感。

 

胎内入り口には案内文が。冬は物凄く寒いらしい。暖房がないのだろう。冬の仙台で日の当たらない場所の気温はヤバい。しかも、仙台駅などの中心部よりも標高が高いので余計に寒い。この注意書きにだけ「合掌」の文字があるので、さらに心配だ。

観音様謎解きオリエンテーリングができるらしいが、既に頭が飽和状態のため、今回は見送った。存在が謎なのに、その胎内でさらに謎を吹っ掛けてくるとは奥が深い…

胎内では観音像の解説図&模型が出迎えてくれる。怪獣図鑑でこういうのあった。ゴモラ胃(鉄も溶かす)、スペシウム袋(右手と左手をクロスさせるとプラスとマイナスのエネルギーで発射)とか。どこが作ったんだろうか?タミヤ模型や海洋堂ではあるまい。怪獣図鑑でカタカナを覚えた身としては、幼き日を思い出すとともに、とにかく、色々とじわじわ来る。この時点で既にご利益を感じる。

胎内の参拝料は500円。ちょっと高いと思ったが、護符と味わいのある参拝の栞を頂いた。栞の大部分は日本語、中国語、英語の表記があり、いつの間に、こんなに仙台って国際化したんだろうなどと考えたり、この時点で、まあ良いかと思ったのだが、内部は更に凄かった… しかも、ちょっと涼しい。冷気?霊気?「父さん、妖気を感じます」

迫力の立像に驚かされる。中はどうせしょぼいんだろうと思っていた認識が間違っていたことを知り、己の不明を恥じる。

奥に進むと、三十三観音と十二神将の立像が1階通路を取り囲む。通路と比較して貰えると分かると思うが、立派な像だ。ええっと、ごめんなさい。本当に、自分が愚かでした。外も凄いが中も凄い。とにかく、気合の入りようにビビる。バブルってすげえ…

それぞれの三十三観音も立派だが、十二神将で今年の干支とか自分の干支を見ると、得した気分になる。まだ、自分は俗に染まっているらしい。

2階には登竜門。ここから、大観音の台座上部(外部)に出ることが出来る。登竜門をくぐっても、またここに戻ってくるので、出世は大変のようだ。それにしても、あの台座、魔族じゃなく竜だったのか…

金ぴかのエレベーターで最上階(12階)まで上がってから、下まで階段で降りるのが、胎内の参拝コース。エレベーターの中にはありがたいお守りの営業と同時に、復興に向けた願いが。しっかり、ご当地の言葉を使っているのが心憎い。

12階には立派な祭壇&ご本尊らしき宝玉。大観音がご本尊だと思っていたが、ここがコアらしい。真のラスボスみたいな感じなのかな?竜が守っているし。三十三観音&十二神将に続いて、ドラゴンボールまで出てきたので、浅学非才の身にては、色々とキャパオーバー。

十一階から下は仏ラッシュ。百八体の仏を拝み、煩悩を一つ一つ打ち払い、悟りに近づく。まさか、こんなに大変な参拝だとは思わなんだ。重ね重ねごめんなさい…

写真は人があまり写り込まないように撮ったが、チラホラと日本人以外にも外国人観光客の姿が。「アメージング」とか「ビューティフォー」とか呟いていたが、「アンビリーバボー」は褒めているのか唖然としているのか。

 

百八体、それぞれがかなりのディテール。全部を紹介できないので、目に付いたものだけ。

マリア様がみてる(マリみて)っぽいのもあれば、放送事故ギリギリなセクシー路線も。いかん、まだ煩悩が…

別に苦行を強いている訳ではないので、ちゃんと休憩用のベンチもある。ただ、なんか色々と背負っちゃっているのを見ると夢見が悪くなりそうだが、スタンドだと思って割り切ることにする。一人一体とか言わないこと。

下層階(ダンジョン奥)に行くほど、強そうな仏がいるのが心憎い。不動明王がいるし、持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王を仲魔にして特殊合体すれば、ラスボスまで使える。メガテニスト(女神転生マニア)の血が騒ぐ。「こんごともよろしく…」

延々と螺旋階段を下りながら、仏を見ていると、今が何回か分からなくなる。四階が二回あったような気がするが多分気のせい。その迷いは、きっと煩悩のせい。

ラストは懐かしのきんさん・ぎんさんがお出迎え。御年103歳にて、このダンジョンを踏破され、記念の色紙には手形まで。ご存命の折から仏のように見えたが、本当に仏だったのかもしれない。

最期の駄目押しは、「GO, to, DOWN」という妙な表記の英語。仙台市はあんまり偏差値が高くないので仕方ない。ここに来てなお、己の俗さを試される高度なギミック。このカオスに放り込まれて、あまたの仏に接しても、解脱には至らなかったらしい。

ポカリが美味い。参拝時間は16:30までだが、自販機横のトイレは15:30までという罠。もちろん、観音様の胎内には不浄なトイレなどないという、孔明の罠かと思う仕掛け。レベル高過ぎ…

あまりの思い入れから、つい、長いレポートになってしまった。それだけ、地元の仙台大観音を愛するが故とご容赦いただきたい。仙台大観音は仙台駅を正面に見据え、杜の都・仙台の守護者でもある。昨今、日本にも大富豪はいるが、このような剛毅そして己の信仰を疑わず、喜捨を厭わないという者は少ない。かつて、松下幸之助は浅草雷門に大提灯を寄贈し、数々の公共施設に私財を投じた。そうした、公の志ある経営者が日本に復活することを願わんばかりである。中二病の魂が疼く。

 

仙台大観音へのアクセスなどは公式HPをご覧いただきたい。

http://www.daikannon.com/

大観音、ドットコム。「.org」でも、「.or.jp」でもない、「.com」。そこにシビれる あこがれるゥ

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コメント: 2
  • #1

    深尾正 (日曜日, 19 8月 2018 06:02)

    面白いレポートありがとうございました。確か大船にもありましたよね(・・?

  • #2

    鈴木卓実 (日曜日, 19 8月 2018 06:11)

    いくつか大きい観音様があって、牛久が一番大きいと思います。それぞれ、見応えありますよ。